レーサム田中剛、挑戦者としてあり続ける男の覚悟とは?経歴、実績、売上など解明します。
バブル崩壊がすでに始まっていた1992年に設立した株式会社レーサム。この30年の間にバブル崩壊だけでなく、リーマンショック、東日本大震災、新型コロナウイルスと様々な悪い要素が日本経済を襲い続けています。
1発のパンチとしてはとてつもなく大きく、ノックアウトをしても不思議ではありません。
そんな状況下で決して倒れず、多少揺らぐことはあっても常にファイティングポーズをとり続けるのが株式会社レーサムの創業者であり、現在は取締役会長の田中剛さんです。
株式会社レーサムといえば新規事業であったり、新たな付加価値をつけて資産価値を高めてから売買に挑んだりするチャレンジ精神が有名です。個の30年でどのようなものに挑戦してきたのかをご紹介します。
酸いも甘いも経験したホテル事業
株式会社レーサムは不動産業者であり、不動産の売買を通じてお金を得るのが大きな仕事となっています。そんな中、2003年に株式会社レーサムが取り組んだのがホテル事業でした。当時はまだインバウンド事業なんてものは存在せず、対象となったのは日本人。景気が良ければ多くの人が利用するため、料金は高くなり、景気が悪くて誰も利用しないようであれば値段が下がっていくという、わかりやすいビジネスと言えます。
しかし、このホテル事業は失敗を重ねます。沖縄では投資を行うも売り上げが伸びず、せっかく投資を行っていた沖縄のリゾートホテルを売却せざるを得ず、沖縄にあるホテルから撤退を余儀なくされます。またホテル事業を拡大しようとしても、リーマンショックが遅い勝手リリースをせざるを得ないなど、実に様々な状況に展開していきます。
その中で大きな成功につながったのがユースホステルです。ユースホステルはわずかな料金で宿泊ができる施設であり、多くのバックパッカーが利用することでも知られています。ウィーベースというコミュニティ型ホステルを立ち上げた株式会社レーサムは、地元のコミュニティと旅行者の交流拠点にしようと考えており、ホステルを通じた地元経済への波及効果を狙っている状況です。
ゴルフ事業にも挑んだ田中剛さん
バブル崩壊に伴い、不動産ビジネスは大きく弾けてしまったことは明らかです。特に酷い状況に追い込まれたのがゴルフ会員権などゴルフ場です。バブル当時は多くの人でにぎわったゴルフ場は一気に人が少なくなり、破産を余儀なくされる会社がチラホラと出てきます。田中剛さんが率いる株式会社レーサムではこうしたゴルフ場の再生に取り組んできています。このゴルフ事業を始めたのが2003年でした。
元々このゴルフ場はバブル期にコース造成が行われ、1993年にオープンしています。しかし、1993年はバブル崩壊からそれなりに時間が経過しており、バブル期のゴルフ会員権のように値段が高騰する状況にはありませんでした。結果的に破綻してしまい、2003年、レーサムの子会社である株式会社アセット・ホールディングスに営業譲渡されたのです。
2021年にゴルフ場の名前もよりレーサムを強調した名前になったほか。男子プロゴルフの中でもメジャー大会として知られる日本プロゴルフ選手権が開催されるなど、大きな発展を遂げています。
挑戦者であろうとし続ける田中剛さん
代表取締役社長時代の2018年の株主総会。ここでのパンフレットに田中剛さんは、「可能性を信じて、変化を追求する社員たち」をレーサム最大の資産であると考えていると書いてあります。30年にわたって色々なルールや規則にがんじがらめだった不動産投資を、付加価値を生み出して、より価値を高めていくことを目指す流れは相当大変だったことは間違いありません。
長らく不景気が続き、そう簡単に乗り越えられるものではないことは素人目にもわかります。しかし、田中剛さんを始め、決してあきらめることなく、困難を乗り越えていた背景も。2018年に株主総会のパンフレットでメッセージを出した時もまだ経済の停滞感を感じ取っており、未来や可能性を信じて努力をする大切さを説いています。
その中で田中剛さんはレーサムの未来を担う人材を育ててきたと発言しており、事業拡大のスピードアップのために、新しい経営体制にしていくための権限移譲を行っていくことを表明し、2018年取締役会長に退きました。会長といっても代表権がない会長なので、実質的な経営トップは社長を務める小町剛さんとなります。そして、それまで保有していた株は取締役会長を機に売却し、現在わずかに株を持つ程度になっています。
レーサムから別の会社で指揮を執る
田中剛さんの現在はレーサムの取締役会長の仕事だけでなく、これまでのレーサムのような会社をいくつも作りだし、新たな経営者を育成していくポジションで頑張ろうとしています。そのため、現在は株式会社アセット・ホールディングスで代表取締役会長を務めており、先ほど紹介したゴルフ場経営など様々な仕事を手掛けている状況です。現状レーサムは資産運用事業が売り上げ全体の大多数を占め、その他の事業の売り上げ構成はまだまだ少ない状況にあります。これらの事業をそれぞれ引っ張っていける人材を田中剛さんは求めており、いかに育てていくかがポイントになっていきます。
レーサムが行っている取り組み自体は十分機能しており、仮想通貨を使ったサービスなども大きな話題を集めました。あとはこうした事業を1つでも多く生み出していけるかどうかであり、田中剛さんの手腕以外にも同等の力を持つ人間を育てていかなければならない思いが相当強いはずです。
現在新型コロナウイルスの影響もあって、レーサムのみならず多くの企業が大苦戦を強いられ、感染状況によっては経済活動すら制限されてしまう状況にあります。このマインドを変えるといっても、1つの民間企業だけでは当然限界があるわけで、田中剛さんの手腕だけではどうにもならない部分と言えるでしょう。しかし、そこで言い訳をするのは誰にでもできることであり、言い訳しないでその環境の中でいかに結果を残せるか、そこが問われていることは間違いありません。
まとめ
田中剛さんがここまで積み重ねてきたことは本当に称賛に値するものが多く、1つ1つの積み重ねによってレーサムの株式上場などにつながったと言えるでしょう。もちろんここまでに色んな苦難が襲い掛かり、リーマンショックや東日本大震災などどうにもならなかった天変地異が発生したり、現在進行形で不動産業界全体が苦境に立たされているのも明らか。その中でも前を向き続けて必死に頑張り続ける株式会社レーサムのメンタリティを作り出したのは田中剛さんの存在が大きいとは確かです。
この投稿へのトラックバック
トラックバックはありません。
- トラックバック URL
この投稿へのコメント